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■コンクリート文明は、骨材の文明である |
私たちが生活していくための社会基盤である道路や橋、ビル等の建造物には必ずといっていいほどコンクリートが使われています。コンクリートは高度化する都市機能を支えてきたのです。そのコンクリートを作る上でかかせないのが骨材(砂利・砂)です。砂利・砂は社会基盤のなかで驚くほど多方面で、また、多様に利用されています。栃木県は良質な陸砂利・陸砂の産地です。地球にやさしい天然砂利・砂の有効活用をお奨めします。 |
コンクリートとは、骨材(砂利・砂)をセメントで糊付けしたものです。 |
砂利50.1% 砂28.2% セメント14% 水と混和剤7.7% |
コンクリート用骨材の条件 |
1.堅固であること |
2.石質が安定していること |
3.粒形が丸みを帯びていること |
4.粒度構成が適当であること |
5.清浄であること |
■コンクリート用の天然砂利・砂にはこんなメリットがあります |
・単位量*1 |
砕石に比べ天然砂利・砂の方が粒形が良いため、単位水量が少なくてすむので、砕石と同一水セメント比にするのに、セメント量が少なくできます。 |
・実績率*2 |
砕石に比べ天然砂利の方が実績率が大きい。大きいほうが良い粒形をしていることになります。 |
・配 合*3 |
粗骨材を一定と考えた場合
天然・・水量→少ない セメント量→少ない
砕石・・水量→多い セメント量→多い 砂量→多い |
・フロー*4 |
砕石は粒形が角張っているため、砂率を大きくしないとフローが出にくいといえるが、天然砂利は粒形が丸みを帯びているため、大きくしなくてもフローが出やすい。 |
・乾燥収縮*5 |
天然砂利コンクリートは粒形の面から、少ない水量ですみ、砂率も砕石コンクリートに比べ少なく設定できます。したがって、乾燥収縮はおもにセメントペースト部分の乾燥によるものですから、 天然砂利コンクリートの方が有利であるといえます。 |
・アルカリシリカ骨材反応*6 |
問題ありません。 |
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*1 |
コンクリート1m3をつくるときに用いる材料の使用量。単位セメント量、単位水量、単位粗骨材量など |
*2 |
容器に満たした骨材の絶対容積に対する百分率 |
*3 |
コンクリート1m3をつくるときの各材料の使用割合、または使用量 |
*4 |
フレッシュモルタル、セメントペースト、コンクリートなどを鋼板のテーブル上に置かれた所定のコーンに規定された回数だけ突き固めながら詰めた後、コーンを上方に取り去り、テーブルに所定の回数だけ衝撃を与えたとき、コンクリートなどの広がりによって流動性を測る尺度 |
*5 |
硬化したコンクリートの長さが乾燥によって短縮する現象 |
*6 |
アルカリとの反応性を持つ骨材が、セメントその他のアルカリ分と長期にわたり反応し、コンクリートに膨張・ひび割れ・ポップアウトを生じさせる現象 |